新しく、AIやCodexを仕事や生活で試した記録を残すブログを作ろうと考えました。

取得したドメインは「e-life.site」です。まずCloudflareにドメインを登録し、次にGoogle CloudでWordPressを動かす構成を検討しました。

当初イメージしていた構成は、次のとおりです。

  • Cloudflareでドメイン、SSL、CDN、セキュリティを管理する
  • GCPのCompute EngineでWordPressを運用する
  • 独自ドメイン「e-life.site」で公開する

この構成でもブログは作れます。ところが、実際に設定を進めてデプロイ画面まで来たところで、「WordPressは本当に必要なのか」という疑問が出てきました。

今回はWordPressをデプロイしていません。この記事では、デプロイ前に表示された見積額をもとに、Cloudflare Pagesと比較して考え直した経緯をまとめます。

GCPでWordPressのデプロイ画面まで進めてみた

GCPで「e-life-site」というプロジェクトを作成し、請求先アカウントを設定しました。

Google Cloud Marketplaceには「Click to Deploy WordPress」という仕組みがあります。WordPressの実行環境を、画面上の操作でCompute Engineへ配置できるものです。Googleも、Compute Engineへのワンクリック展開を低〜中程度のトラフィック向けとして案内しています。

Google Cloud:WordPress on Google Cloud

必要なAPIを有効化し、新しいWordPressのデプロイ画面まで進みました。

選択した構成は次のとおりです。

項目 選択内容
リージョン 東京
マシンシリーズ E2
マシンタイプ e2-medium
メモリ 4GB
ディスク バランス永続ディスク30GB
WordPress Google Click to Deploy

この構成で画面に表示された見積もりは、次のとおりでした。

  • Click to Deploy WordPressの使用料:0円
  • VMインスタンス:月5,138円
  • バランス永続ディスク30GB:月639円
  • 月間推定合計額:5,776円

これは2026年8月11日に、私が選択した構成で表示された見積額です。すべての利用者に共通する固定料金ではありません。

なお、VMとディスクの個別表示を単純に足すと5,777円となり、画面の合計額と1円差があります。理由は確認できていないため、この記事では各欄に表示された金額をそのまま記載しています。

実際の運用では、外部IPv4アドレス、通信量、バックアップなどの費用が加わる可能性があります。たとえば、標準VMで使用中の外部IPv4は、2026年8月11日時点で1時間0.005米ドルです。

Google Cloud:外部IPアドレス料金

WordPress本体やClick to Deployの使用料が0円でも、WordPressを動かし続けるVMやディスクまで無条件に無料になるわけではありません。この段階で、その違いがはっきりしました。

月5,776円を見て「無料ではできない?」と考え直した

月5,776円が高すぎると判断したわけではありません。今回選んだのは、東京リージョン、メモリ4GB、バランス永続ディスク30GBの構成です。

ただ、今回作ろうとしているのは、まだ記事もアクセスもない新しいブログです。

そこで、次の疑問が出てきました。

まだ記事もないのに、最初から毎月6,000円前後のサーバーが本当に必要なのだろうか。

GCPにはCompute Engineの常時無料枠があります。ただし、対象は米国のus-west1us-central1us-east1で動かす非プリエンプティブルのe2-micro 1台相当などです。標準永続ディスクは30GB・月、北米からの下り通信は1GB・月などの条件があります。

Google Cloud:無料枠

今回選んだ東京リージョン、e2-medium、バランス永続ディスクは、この無料構成には該当しません。

e2-microのメモリは1GBです。WordPressを動かせるかどうかだけでなく、管理画面、テーマ、プラグイン、アクセス数を含めて余裕を判断する必要があります。

Google Cloud:E2マシンタイプ

「WordPressを使いながら、東京リージョンで今回の構成を完全無料にする」という条件ではないことが分かりました。

そもそも、WordPressって必要?

ここでいったん、料金だけでなく「自分のブログにWordPressが必要か」から考え直しました。

WordPressが便利なのは、次のようなケースです。

  • 管理画面から記事を投稿したい
  • 複数の編集者や外部ライターで運営したい
  • 下書き、予約投稿、承認、権限管理を使いたい
  • WordPress専用テーマやプラグインを使いたい
  • 会員サイトやECへ発展させたい
  • コードやファイルを触らずに更新したい

反対に、記事作成やサイト更新をAIやCodexへ依頼する場合、WordPressの管理画面が必須とは限りません。

記事をMarkdownファイルとして保存し、変更のたびにサイト全体を自動生成する方法もあります。Markdownとは、見出しや箇条書きを簡単な記号で記述できる文章形式です。

今回作りたいのは、AIやCodexを試した実体験を残すブログです。記事制作からサイト更新までAIを活用するなら、WordPress以外の構成も候補になります。

Cloudflare Pagesも試してみることに

そこで候補になったのがCloudflare Pagesです。

Cloudflare Pagesでは、Astroなどの静的サイトジェネレーターで作ったHTML、CSS、画像をCloudflareのネットワークから配信できます。

WordPressのように、記事が読まれるたびにPHPとデータベースを動かす必要はありません。静的ファイルを分散配信するため、常時稼働するWordPressサーバーの費用をなくし、表示も高速化しやすい構成です。

2026年8月11日時点のFreeプランには、主に次の範囲があります。

  • Functionsを呼ばない静的ファイルへのリクエストは無料・無制限
  • 月500回までビルド可能
  • 1サイト最大20,000ファイル
  • 1ファイル最大25MiB
  • 1プロジェクト最大100件の独自ドメイン
  • Pages Functionsの動的リクエストは、Workers Free枠と合算で1日100,000件

Cloudflare Pages:制限

Cloudflare Pages Functions:料金

Cloudflare Workers:無料枠の上限

静的な記事の閲覧数と、Pages Functionsの1日100,000件は別に考える必要があります。記事、画像、CSSなどをそのまま配信するだけなら、Functionsのリクエスト枠を消費しません。

1記事の公開につき1回ビルドすると仮定すれば、毎日数本を公開しても月500回には余裕があります。ただし、プレビューや記事以外の更新もビルド回数に含まれます。

記事、カテゴリー、タグ、サイトマップ、RSS、構造化データ、GA4、広告、アフィリエイトリンクなども実装できます。

お問い合わせや認証など、サーバー側の処理が必要な機能はPages Functionsや外部サービスを組み合わせます。サイト内検索は、小規模ならビルド時に検索索引を作り、大規模になったら外部検索サービスを検討できます。

一方で、WordPressのような完成された投稿管理画面は最初から用意されていません。ここが両者の大きな違いです。

比べるべきはサービス名より更新方法だった

正確に比較するなら、「GCP全体」と「Cloudflare Pages」ではなく、次の2構成です。

  • GCP Compute Engine+WordPress
  • Cloudflare Pages+Astroなどの静的サイトジェネレーター+Markdown

主な違いを簡単にまとめると、次のようになります。

比較項目 Compute Engine+WordPress Cloudflare Pages+Astro+Markdown
月額費用 VM、ディスク、IP、通信、バックアップ等 無料枠内なら静的ホスティング0円。外部サービス等は別
記事投稿 WordPress管理画面 MarkdownとGit
複数人編集 WordPressのユーザー権限 GitHubの権限とレビュー
予約・承認 標準機能で対応しやすい GitHub Actions等で設計
プラグイン WordPress向けを利用可能 コードまたは外部サービスで追加
サーバー保守 OS、PHP、DB、WordPress等 OS、PHP、DB、WordPressの保守は不要
AI・Codex REST API等で連携可能 テキストとコードの差分を直接編集しやすい

WordPressは、管理画面から人が更新する運用に向いています。

Cloudflare Pagesは、ファイル、Git、AIを使って更新する運用に向いています。

判断基準になるのは、アクセス数だけではありません。

誰が、どの画面から、どのように記事を更新するのか。

この違いが、必要な仕組みと費用を決めます。

最終的にCloudflare Pagesを選びました

このブログでは、最終的にCloudflare Pages+Astro+Markdownの構成を選びました。

理由は次のとおりです。

  • Freeプランの範囲内なら静的ホスティング費用0円で始められる
  • 新しいブログなので既存のWordPress資産がない
  • AIやCodexによる記事制作と相性がよい
  • OS、PHP、データベース、WordPressの保守が不要
  • 静的ファイルのため表示を高速化しやすい
  • Markdownで保存すれば将来の移行もしやすい

ここでいう0円はCloudflare Pagesの静的ホスティング部分です。独自ドメインの更新料、AI API、R2、外部フォーム、検索サービスなどは別に費用が発生する可能性があります。

また、PagesでもAstroやnpmパッケージなど、サイトを生成するためのソフトウェアは更新が必要です。「何も保守しなくてよい」という意味ではありません。

もちろん、将来にわたってWordPressを使わないと決めたわけではありません。

外部ライターが増えたり、WordPress専用プラグインや会員機能が必要になったりすれば、WordPressを再検討できます。そのため、記事を特定サービスだけに閉じ込めず、Markdownなどの移行しやすい形式で管理します。

まとめ:まずは小さく始めることにした

WordPress本体の使用料が0円でも、GCPのCompute Engineで動かすにはVMやディスクなどの費用が発生します。今回選んだ構成では、2026年8月11日に月5,776円の見積もりが表示されました。

一方、Cloudflare Pagesなら、静的なブログをFreeプランから始められます。

  • 管理画面、プラグイン、複数人編集を重視するならWordPress
  • 静的ホスティング費用、表示速度、サーバー保守の少なさを重視するならCloudflare Pages
  • AIやCodexを中心に更新するなら、Markdown+Gitとの相性がよい
  • 将来の変更に備え、記事データは移行しやすい形式で保存する

「ブログを作るなら、まずWordPress」と決めるのではなく、誰がどのように更新するかから必要な仕組みを選ぶことが大切だと分かりました。

今回はデプロイ前に立ち止まって比較し、e-life.siteをCloudflare Pagesで公開しました。まずは固定費を抑えて小さく始め、必要な機能が増えたときにWordPressを改めて検討します。