先に、私の結論
「?」を使ってもいいが、質問だけで依頼を終わらせない。
原因、次に行う作業、完了の報告までを1セットで書くと二度手間が減る。
Codexに「なんでできてないの?」と聞いて、答えだけ返ってきた
Codexへ実装を頼んだあと、必要な処理やテストが足りていないことがありました。
そこで私は、ついこう聞きます。
なんでできてないの?
私が本当に言いたかったのは、「理由を説明して終わりではなく、足りないところを直して先へ進めて」でした。
でも返ってくるのは、原因の説明です。
原因は●●です。
本来は●●すべきでした。
文章としては間違っていません。
ただ、私はまた「じゃあ直して」と続けることになります。
正直、ここがぐうたらな私にはかなりストレスでした。
「集計出せる?」でも同じことが起きた
もう1つ、集計を頼むときも同じでした。
●●の集計出せる?
私の頭の中では、「できるなら、今ここで集計して報告してほしい」です。
ところが、質問へ正確に答えるなら、返答はこれで成立します。
出せます。
これも間違いではありません。
ただし、欲しかった表も数字もまだありません。
私は「出せるか」を聞いたつもりで、その先の実行を省略していました。
原因は「気持ちを読まない」より、依頼が回答で完結していること
最初は、Codexがこちらの気持ちの先を読んでくれないと感じました。
今は、少し見方を変えています。
「なんでできてないの?」も「集計出せる?」も、文としては質問です。
質問には、答えるだけで役目を果たせる場合があります。
一方で、修正、テスト、集計、報告まで進めるには、少なくとも次の情報が必要です。
何をするか
どこまでできたら完了か
完了したら何を返してほしいか
この3つがなければ、AIエージェント側からは「答えを返す」のが安全な着地点になりやすいのだと思います。
特に実装や公開を伴う作業では、勝手に先へ進めると変更範囲が広がることもあります。
だから、質問だけで終わる依頼に対しては、回答で止まること自体が不自然とは言い切れません。
現在のOpenAI公式のモデルガイダンスでも、指示に解釈の余地があると、結果を変えうる点では確認を求めたり、止まったりしうることが説明されています。同時に、行動して完了まで進めてほしい場合は、依頼を作業指示として明示する例も案内されています。
これは、今回のCodex(GPT-5.6)で私が経験した応答を公式が個別に保証・説明している、という意味ではありません。
モデル、推論強度、読み込まれている指示ファイル、権限設定で挙動は変わります。
ただ、こちらが「回答」だけを頼んだのか、「作業の完了」まで頼んだのかを明文化する考え方は、設定が変わっても使えます。
私なりの答えは「?」で指示を終わらせない
私が決めた答えはシンプルです。
「?」を使ってもいい。
ただし、「?」で指示を終わらせない。
質問の後へ、次の3点を足します。
- 原因を確認する
- 次に実行する作業を書く
- どこまで終わったら報告してほしいかを書く
この3点があると、「なぜ?」がただのQ&Aではなく、問題解決の入口になります。
実装が足りないときの頼み方
先ほどの「なんでできてないの?」は、私はこう書き直します。
実装とテストが不足している原因を確認してください。
回答だけで終わらせず、不足している実装とテストを追加して、
保存後の再読み込みまで正常に動く状態にしてください。
完了時は、原因、変更したファイル、実行したテスト、残る懸念を報告してください。
ここでは「直して」だけではなく、成功条件を「保存後の再読み込みまで正常に動く状態」と書いています。
AIエージェントへ画面だけを作ってもらうと、保存処理や再表示が抜けることがあります。
私は、次の流れを完了条件として置くようにしています。
入口 → 処理 → API → 保存 → 表示 → 再読み込み
全ての機能で必要とは限りませんが、画面とデータを扱う機能なら、どこまで確認するかが伝わりやすくなります。
集計を出してほしいときの頼み方
「●●の集計出せる?」も、次のように変えます。
<対象期間>の<対象データ>を集計してください。
<集計軸>ごとに、件数と合計を表で出してください。
集計後は、数値の要点と、欠損・重複など判断に影響する注意点も短く報告してください。
たとえば広告費なら、こうです。
2026年9月1日から9月7日までの広告費を媒体別、アカウント別に集計してください。
費用、表示回数、クリック数、CPAを表で出してください。
集計後は、前週比で大きく増減した行と、データ欠損がある行を短く報告してください。
「できるか」を確認する一文がなくても、必要な条件がそろっていれば、集計から報告まで進めてもらえます。
先に聞きたいことがある場合は「条件付きで進める」と書く
もちろん、いきなり実行してほしくない場面もあります。
公開、課金、削除、外部サービスへの書き込みなど、元に戻しにくい操作が含まれる場合です。
そのときは、質問だけで終わらせず、止まる条件も書きます。
この変更で公開まで進められるか確認してください。
ローカルでできる準備、実装、テストまでは進めてください。
公開操作が必要になる直前に、公開対象URLと変更内容を報告して止めてください。
これなら、「できるか」の回答を受け取ったあとで、準備を最初から頼み直す必要がありません。
「どこまで自走してよいか」と「どこで止まるか」を一緒に渡せます。
推論強度を下げたときほど、私は明示するようにしている
私の使い方では、推論強度を下げて速く回したいときほど、質問だけで頼んだときの物足りなさを感じやすい場面がありました。
これは同一条件で測定した比較ではなく、あくまで私の実感です。
ただ、軽い設定で定型作業を頼むなら、依頼も定型にしておくほうが迷いにくいと感じています。
目的:<何を完成させるか>
対象:<ファイル・画面・データの範囲>
作業:<調査、実装、テスト、集計など>
完了条件:<確認できる状態>
報告:<変更、結果、未確認点>
止まる条件:<公開、課金、削除など>
毎回長文で書く必要はありません。
でも「質問」「行動」「完了」の3つが抜けないだけで、追加の一往復は減らしやすくなります。
Claudeとの違いは、別の記事でちゃんと比べたい
Claudeは、このあたりの意図を汲んでくれると感じる場面があります。
その一方で、意図以上のことまで進めてしまう場面もあります。
今回は、同じ条件で両方を比べた記事ではありません。
体感だけで優劣を決めず、別の機会に、同じ依頼、同じ権限、同じ完了条件で比較してから書きたいと思います。
今の私にとっては、どちらのAIでも「どこまで進めてよいか」を書くことが、余計な作業と二度手間を減らす基本です。
次は最新モデルAstraでも同じ条件を試して記事にする
次は、最新モデルのGPT-6 Astraでも同じような依頼を試してみる予定です。
OpenAI公式資料では、Astraは複雑な作業を最後まで進めるための案内とあわせて、曖昧な依頼では確認を求めることがある、と説明されています。
だから「質問だけで止まるか」を印象だけで比べるのではなく、次は条件をそろえます。
同じ依頼文
同じ作業範囲と権限
同じ完了条件
同じ確認項目
そのうえで、回答だけで止まった回数、実装や集計まで進んだ回数、余計な作業が増えた場面を記録します。
テスト結果がそろったら、Astraで変わったことと、変わらず「?」で終わらせないほうがよかったことを、別の記事にまとめます。
まとめ:質問は入口、作業完了までが本当の依頼
「なんで?」と聞くこと自体は悪くありません。
「出せる?」と確認することも悪くありません。
ただ、私が欲しいのが回答ではなく結果なら、質問の後へ次の一文を足します。
原因を確認したら、必要な作業を進めて、<成功条件>まで完了してください。
これで、AIエージェントが気持ちを読んでくれるかどうかに頼らずに済みます。
私も、つい短く聞いてしまう癖があります。
だからこそ、「?」で終わらせないだけは、これからも自分のルールにしていきます。
同じセッションで、済んだ確認を何度も繰り返さないための考え方は、AIエージェントで同じセッションの開発を続けるコツにもまとめています。
コピーして使えます
質問で終わらせず作業完了まで頼む指示
ついでに気になったこと
「?」を付けたら、作業を頼めなくなる?
なりません。問題は「?」そのものではなく、質問への回答で依頼が完結して見えることです。質問の後に「原因を直してテストまで進めて」のような行動と完了条件を続ければ大丈夫です。
「できる?」と聞かず、最初から命令したほうがいい?
実行してよい作業なら、最初から頼むほうが往復は減ります。権限、費用、公開範囲などを先に確認したい場合は、できるかを聞いた後に、実行してよい条件も一緒に書きます。
原因を聞くときは、どう頼めば修正まで進む?
「原因を特定し、最小限の修正を行い、失敗していたテストを通してください」のように、原因調査、修正、確認を順番に書きます。変更してほしくない範囲があれば、その場で添えます。
集計や調査でも同じ頼み方でいい?
同じです。対象期間、対象データ、集計軸、出力形式、報告までを指定します。「出せる?」ではなく「集計して、表で報告して」と完了形まで書くと意図が伝わりやすくなります。
